ここでは、 PowerMacintosh コンピューターで NetBSD/macppc を使うため、 Apple の System Disk ユーティリティーを使って Open Firmware を 設定する方法を簡潔に述べます。 この Mac OS ユーティリティーは、 Open Firmware のコマンドラインでできる ほとんどすべてのことが、より簡単にできます。 Boot Variables という古いプログラムもあり、いくつかのオプションが追加されています。 しかし、 Boot Variables はバグのある Open Firmware バージョンへのパッチを含みません。 お使いの機種が System Disk に対応していない 場合を除いては、 System Disk を使うことをおすすめします。
Mac OS 8.0 以降が必要です。
もし Mac OS 8.0 以降がなければ、 Disk Tools PPC.img を Apple のサイトからダウンロードします。 これは Mac OS 8.1 のブートフロッピーです。このフロッピーからブートして System Disk のフロッピーと入れ換えるか、 あるいは、フロッピーのファイルをハードディスクにコピーします。 Disk Tools イメージをフロッピーに書き込むには、 Disk Copy 6.3.3 以降を使う必要があります (これは、 PowerPC より前の (つまり m68k) Mac を含む、 Mac OS 7.0.1 以降の全システムで使えます) 。 しかし、ブートフロッピーイメージを単に dd(8) や rawrite でフロッピーに書き出すことは、できません。
古いマシン (Open Firmware 1.0.5) では、 Mac OS をブートするたびに、 Open Firmware のすべての設定 (nvram を含む) がデフォルト値に戻されますので注意してください。
ftp://ftp.apple.com/developer/macosxserver/utilities/SystemDisk2.3.1.smi.bin
MacBinary から自動マウントディスクイメージへの変換のため、 StuffIt Expander (または別のユーティリティー) が必要です。 Aladdin Systems の ヘルプページ を参照してください。
ディスクイメージを開いてデスクトップにマウントすると、 イメージ中に System Disk ユーティリティーがあります。 このプログラムを実行します:
Save ボタンをクリックすると、そのマシンに必要な nvram パッチをインストールしますが、 PowerMacintosh 7300 - 8600 の ビデオタイミングと同期の小修正はインストールされません。 これについては、 Open Firmware 1.0.5 パッチ を別に用意してあります。
もし、自動的に Power User (Open Firmware) が選択されなければ、 手動で選択します。 Advanced Options をクリックします:
オンボードビデオが Open Firmware に対応していれば、 System Disk は自動的にデバイス名を決定し、 (Open Firmware でシリアルポートをデフォルトで使うようになっていても) それを display として選択するので注意してください。
これは Open Firmware のプロンプトで次のようにタイプして設定することも できます。:
0 > setenv input-device kbd 0 > setenv output-device screen
ここで screen は、お使いの 機種のオンボードビデオまたは ビデオカードに対応した 適切なデバイス名あるいはその別名です。
もし (USB シリアルアダプターではなく) シリアルポートがあれば、 Open Firmware との対話にモデムポートを使うために、 input-device と output-device の両方を ttya とすることができます。 Performa の一部ではモデムが内蔵されているため、 ttyb (プリンターポート) を使う必要があります。
このボタンを押すと、起動のさい、直接 Open Firmware と対話できるように なります。こうすることで Open Firmware を使うたびに Command-Option-O-F を 押し続ける必要はなくなります。 これは Open Firmware プロンプトで次のようにタイプすることと同じです。:
0 > setenv auto-boot? false
もちろん、この項目は、どのデバイスからブートするかを選ぶものです。 基本的には、最初の段階のブートローダー ("partition zero" ofwboot か XCOFF ofwboot.xcf) がどこにあるかを Open Firmware に知らせます。これは Open Firmware プロンプトで次のようにタイプすることと同じです。:
0 > setenv boot-device scsi/sd@0:0
次のような値を取ります:
fd:0 | NetBSD インストールフロッピーの入ったフロッピードライブ |
---|---|
enet:0,\ofwboot.xcf | Open Firmware バージョン > 3.0 の機種のイーサネット |
enet:,\ofwboot.xcf | Open Firmware バージョン < 3.0 の機種のイーサネット |
scsi-int/sd@3:0 | 初期の PCI PowerMacの内蔵 SCSI |
scsi-ext/sd@3:0 | 複数の SCSI バスを持つ後期の PowerMac の外付け SCSI |
scsi/sd@3:0 | SCSI (複数の SCSI バスを持つ場合は、どちらか確定できないかもしれません) |
ata/ata-disk@0:0 ata/ATA-Disk@0:0 ide0/disk@0:0 ide1/disk@0:0 hd:0 cd:0 zip:0 |
"partition zero" ブートローダーが置かれている IDE ドライブ。 オンボード IDE を持つ初期の機種では、 スレーブのデバイスからのブートの可否は不明 |
hd:,\ofwboot.xcf | Open Firmware 3 のシステムで、 HFS パーティションに ofwboot.xcf が置かれている内蔵 IDE ハードドライブ。 |
SCSI の 3 は、ブートデバイスの SCSI ID です。伝統的に、 SCSI CD-ROM の ID は 3 、内蔵ハードディスクドライブの ID は 0 、 SCSI Zip ドライブは 5 か 6 です。
IDE の 0 は、マスターとスレーブの別 (マスターは 0 、スレーブは 1) です。オンボード IDE を持つ初期の機種で、 スレーブのデバイスからブートできるかは不明です。
0 はブートしようとするパーティションです。 NetBSD ディスクラベルを持つディスク (NetBSD のインストールツールで 作られた、あるいは、配布されているブートフロッピー) では、 "partition zero" ブートローダーをロードするために 0 を使います。 Apple partition map を持つディスクでは、 NetBSD パーティションのパーティション番号 (若い番号は Mac OS ブートローダー用に予約されているため、たいていは 8 以上) を使います。
Open Firmware 3 を持つ機種では "partition zero" ブートローダーからは ブートできず、 HFS 、 MS-DOS、 ISO9660 パーティションから、または イーサネット経由でブートローダーかカーネルを探す必要がありますので注意してください。
この項目は、ブートしようとするカーネル名です。これは、ほとんどの場合、 NetBSD/macppc カーネル netbsd を使うべきです。 NetBSD のインストール時は、 RAMdisk ベースのインストールカーネル netbsd.ram.gz を使うことになるかもしれません。 これは Open Firmware プロンプトで次のようにタイプすることと同じです。:
0 > setenv boot-file netbsd.ram.gz
OK をクリックして、 Advanced Options の変更を反映させます。 Save をクリックして、 Open Firmware の設定の変更と NVRAM のパッチを書き込みます。再起動します。
Open Firmware 1.0.5、 2.0.x または 2.4 のシステムでは、 NetBSD をブート するために以下のコマンドを実行する必要があります:
0 > setenv real-base F00000 0 > reset-all
このコマンドは real-base を設定して再起動するもので、これでこの後まで設定が保存されます。
一部の機種では、この System Disk パッチのせいで問題が起きるとの 報告があります。そうなった場合には、以下のコマンドを Open Firmware プロンプトで実行します:
0 > set-default use-nvramrc? 0 > reset-all
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