X で使える日本語フォントには限りがあります。そこで、VFlib を利用して、 好きなサイズのフォントを作成してみましょう。
現在のXのpcfフォントの処理の実装は、使用する全フォントを全部メモリに 読み込むというものになっています。このため、日本語のような大量の文字を もつフォントを利用する場合、大量のメモリを消費することになります。 また、フォントのロード中は、X の全処理が停止して、画面が凍りつきます。 というわけで、この方法は、大量のメモリと十分なCPUパワーがある人むけです:-P
なお、小さいフォントをこの方法で作った場合、潰れてしまうので 奇麗にはならないです。
まず、この文書の、VFlib2.22のインストール などを参考にして、VFlib をインストールして下さい。
次に、vftobdf コマンドを作成します。 以下のファイルを持っていってコンパイルして下さい。
% tar zxvf vftobdf.tgz % cd vftobdf % makeMakefile のディレクトリの指定は、VFlib のインストール状況にあわせて 変更して下さい
usage: vftobdf [options] fontname -f foundry フォントの作成者の指定 -s size フォントのサイズの指定(pixel単位) -b フォントを "bold" にする (実際に太くなるのではなく名前を変更するだけです) -y num フォントのベースラインを、フォントの下からどのくらいの 位置にもってくるか指定(pixel単位) デフォルトは、フォントサイズの下から 20% の位置です。例
% ./vftobdf -f ttfmin -s 16 min > min16.bdf % ./vftobdf -b -f ttfmin -s 16 min-b > minb16.bdf
フォントの名前(fontname)は、VFlib で設定している名前をつかいます。 フォントの bearing の位置は中央になります。
これで作成した bdf フォントは、この文書の上で示したのと同様に X から 使えるようにインストールして下さい。
なおこの例では、DYNALAB INC. の、「Dynafont プレミアム30書体パック」 の、DF平成明朝体W3、DF平成ゴシック体W3、DF極太明朝体、DF極太ゴシック体 を使用しています。W3 を通常のフォント(medium)、極太 を bold として 使用しました。
VFlib の複合フォント機能を使って、かなと記号は明朝、 漢字はゴシックという、漫画で良く用いられている特殊な組合せの フォントにしてあります。
参考: VFlib の vfontcap での comic font の設定例
# normal fonts min|mincho:\ :ft=truetype:\ :ff=/usr/local/lib/vflib/ttf/mincho: goth|gothic:\ :ft=truetype:\ :ff=/usr/local/lib/vflib/ttf/gothic: # bold fonts min-b|mincho-b:\ :ft=truetype:\ :ff=/usr/local/lib/vflib/ttf/mincho-b: goth-b|gothic-b:\ :ft=truetype:\ :ff=/usr/local/lib/vflib/ttf/gothic-b: # compound COMIC font comic:\ :ft=compound:\ :kj=goth:kn=min:sy=min: comic-b:\ :ft=compound:\ :kj=goth-b:kn=min-b:sy=min-b: